「毎年、年に1回定期健康診断を行っているけど、
受診するのを拒む社員がいて困る。どうにかならないものか?」
ということがたまにございます。
このような場合、
①社員が定期健康診断を受けていないことについて会社(使用者)がとがめられることがあるのか?
②そもそも健康診断の実施や受診については、法律ではどうなっているのか?
③受けない社員に対して、会社は何かできるのか?
という視点からこのことについて、ご案内させていただきます。
①及び②について
法律(労働安全衛生法第66条第1~3項)では、
次の種類の健康診断の実施を会社に義務付けています。
・雇い入れ時の健康診断
・定期健康診断
・一定の有害業務に関する特殊健康診断
・深夜業を行う特定業務従事者には年2回の健康診断
・海外派遣労働者に対する健康診断
・特定業務従事者の健康診断
・給食従業員の検便
・結核健康診断
上記の健康診断を実施する義務違反(該当者がいるのに実施しないこと)については、
法律(労働安全衛生法第120条第1)は、
会社に対して罰則で50万円以下の罰金となしています。
一方、労働者に対しても法律は、
会社が行うこれらの健康診断を受けなければならないとしています
③について
もしも、会社が選択した医師又は歯科医師による健康診断を
労働者が受けない場合には、次の2つのパターンが考えられます。
1.労働者自身で選択した医師又は歯科医師による健康診断を受け、その結果を会社に提出 する。
➡労働者は会社に対する受診義務違反を果たし、問題なし。
2.労働者自身での選択をせずに健康診断を受けないまま。
➡労働者に対しての健康診断受診義務違反に対する法律の罰則は無い。
会社についても労働者に受診の機会を与えているので、
受診していない労働者がいることについての罰則は無し。
(労働安全衛生法第66条第5項)
でも、上記2については、仕事の内容によっては、
受診しない労働者がいることについての職場で受診した労働者への良くない影響、
又会社の業務命令にしているということが残りますね。
0コメント